夕暮れ時のコトデン片原町駅近くの線路沿い。オレンジ色の照明が洩れる店内から、いつも景気のいい笑い声が聞こえてくる店がある。ここが近頃評判の自分で焼く焼き鳥屋、『とさか』だ。
ここ『とさか』で出される鶏肉は『種鶏』(しゅけい)と呼ばれる親鳥である。いわゆる”おやどり”とは違い、1年以上手間隙かけて土の上で平飼いされた精肉用鶏の親を指す。赤みを帯びたその肉は若鶏にはない熟成した旨みと歯ごたえがある。しかも、刺身用の肉はその日の朝に挽かれた新鮮な種鶏を直送で取り寄せるほどのこだわりよう。これが旨くないわけがない。そしてその種鶏の旨みを余すところなく堪能させてくれる人物が2007年9月から『とさか』の店主を務める白戸氏である。
白戸氏は日本料理の名店『青柳』で修行を積み、『晴海basara』で副料理長を務めた経歴があるほどの人物で、店を任されるやいなや更なる味の向上を求めて種鶏という食材と向き合った。メニューの改良、新メニューの考案など、日々進化していく『とさか』に対する客の反応は上々、店は連日賑わいをみせている。
炭火を囲んで客自らが焼くというスタイルは、仲間との会話も弾み楽しいものだ。チリチリと弾ける備長炭が肉のうまさを最大限に引き出す。
「旨い焼き鳥の店があるんだが、今度行ってみないか」
ついつい誰かを連れて行きたくなる。とさかはそんな店だ。
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